1. アメリカ南北戰爭に于ける「最も近代的な軍人」と評せられる、北軍の猛將シャーマン將軍の名高い囘想錄から、そのクライマックスを成す「アトランタ攻略戰」と「海への進軍」に關する部分を譯出。戰爭の早朞終結を圖つて、敢へて戰爭を「地獄」たらしむべく全力を傾註した「總力戰」の指導者であり、第二次大戰に于けるドイツ軍の電擊戰、アメリカ軍の東京大空襲、第一次灣岸戰爭に于けるシュワルツコフ將軍の作戰指導等に大きな影响を與へる。アメリカ文化の本質を成す凄じい迄の合理精神を知る爲の必須の書。本邦初譯。  


  1. 名作「緋文字」の作者で、生涯近代ロマン主義の甘い人間觀を批判して已まなかつた、「ピューリタン中の
    ピューリタン」作家ナサニエル・ホーソンの、初期作品中最も重要な「優しい少年」の他、短編五篇(「痣」、

 「憑かれた心」、「想像の見世物箱」、「人面の大岩」、「地上の大燔祭」)及び、その宗教觀を知る爲に必須の

 一文「リッチフィールドにて」、南北戰爭から生まれた最も特異な評論と云はれる「戰爭に思ふ」の二篇を収める。


  1. 未來永劫人間は決して戰爭を止めはしない。なぜなら、戰爭がやれなくなれば、その時人間は人間でなくなる筈だからである。では、人間をして人間たらしめてゐるものとは何か。「正義とは何か」と常に問はざるをえぬといふ事、そして、おのれが正義と信ずるものの爲に損得を忘れて不正義と戰ひたがるといふ事である。即ち、動物は縄張を守るために戰ふに過ぎないが、人間は自國を守るために戰ふと同時に、その戰ひが正義の戰ひであるかどうかを常に氣にせずにはゐられない。これこそ動物と人間との決定的な相違なのである。(第一部第一章より)

松原正全集 第三囘配本、第三卷「戰爭は無くならない」

「『優しい少年』他七篇」ナサニエル・ホーソン作 / 來秋刊行豫定

 シャーマン將軍囘想錄(抄譯) W・Tシャーマン 留守晴夫譯